カネが大事な話
- 家具職人のコラム
- 2019.02.04
753FURNITURE 家具製作 兼 社内PC何でも屋の坂田です。
先週は、社内サーバー(NAS)でいろいろと有りまして、データ消失の危機に見合っていましたが、不死鳥のごとく復活をし、今は安心しております。
さて、前回は建築工房和の方で書かせてもらった[木の性質を解説してみました]でしたが、今回はタイトルの通り「カネが大事な話」です。
え?お金の話ではないですよ?
カネ、矩(カネと読みます)の話です。
直角の話なんです。
家具にしろ家にしろ、まずは直角が命です。もちろん角度の付いた加工もありますが、基準となるのは直角があってこそ。
まあ、直角の前に直線、平面ってのももちろん重要なんですが。
角度の付いたものでも、矩をベースに考えられます。
その昔に、聖徳太子が中国から持ち込んだ道具で、差し金というものがあります。L字型の寸法メモリが入った物差しですね。今でも大工さんは必ず使っているはずです。(昔はミリとかではなく尺や寸ですが、今はどちらも使うのかな?)
この差し金(指矩とも書きます)を使った技術で、規矩術というものがあり、大工さんの数学的なものですね。
直角三角形をベースに角度を分割して追っていくんです。なので、角度という単位を使わなくても、墨付けができる優れた技術なのです。
例えば、45度の線を引きたいときは、基準線に対し外側のメモリを同じ数字で合わせてやると45度の線が引けます。A=10cm:B=10cm で45度。
A=10cm:B=5cmで30度と60度です。
と、こんな風に差し金を使うこともできます。
ほかにも、すごく便利な使い方はありますが、これを説明すには実は本1冊かける程なので書きませんが(書けませんが)、直角がかなり重要なのは分かってもらえたのではないでしょうか?
家具つくりでは、差し金を使うことはあまりないですが、矩は重要です。
家づくり家具つくりにおいては、矩さえあれば飛ぶ鳥も落ちるのです。
それでは、また次回に!